秋晴れの太陽と北風が心地よい公園。
芝生の上に座った私と彼は、ボールを蹴って遊んでいる子どもたちを眺めていた。
「気持ちいいな」
隣に座る彼が一言つぶやいた。
そよそよと吹く秋風になびく髪がなんだか愛らしい。
「ね、そろそろお腹空かない?」
少し遠くで家族連れがレジャーシートの上にお弁当を広げていた。
お腹空いた!と元気に答える彼。
よし、と張り切って、持ってきた保冷バッグを開けてお弁当箱を取り出す。
今日は彼も私も好物の唐揚げを作ってきた。
卵焼きは甘いのとしょっぱいのを両方。
「お、唐揚げじゃん!」
お弁当箱を開ける私の手元をキラキラと少年のようなまなざしで見つめる彼がとてもいとおしかった。
ソフトボール大の大きなおにぎりを手渡すと喜んで食べ始めた。
うまい、うまいと何度も言ってくれるのがとても嬉しい。
水筒に持ってきた温かいお茶をすすりながらパクパクとお弁当が消費されていく。
まるでわんぱくな子どものよう。
かわいらしい彼に、また愛しさが募っていった。